Amazon 早川書房 Kindle本セール 2022夏ver part2|雑記

目次

2022夏のハヤカワKindle本セール!!_part2

ということで↓のpart2です。※part3を追加

元年春之祭|陸 秋槎

中華ミステリー。part1の三体といい中国の創作物流行ってる感ある。

本書は前漢時代(紀元前200~)の古代中国を舞台としたミステリー。
舞台はもとより、作中での古典の引用、著者の専攻だった風俗など歴史モノの側面が強い。

そこに現代的なキャラクター(造形も、関係性も)や、読者への挑戦形式の謎解きなど
数多の要素が詰め込まれたもりもりの作品。

前述のとおり、世界観がかなり曲者ではあり、正直言って前提となる知識がないと
読みにくくてしょうがないが、そこは雰囲気で読んでOKだと思う。

この読みにくい世界観込みで没入感あって個人的には大当たり。
自分は紙媒体で読んだが、それこそ電子書籍で引用された古典の注釈が
ポップアップで読めたりしたらいいのになと思った。

雪が白いとき、かつそのときに限り|陸 秋槎

↑の”元年春之祭”と同じ著者の作品。

こちらは前作とはうってかわって現代ミステリー

まず一言言わせて欲しい。

タイトルがいい、最高にいい

声に出して読みたくなるし、手で書きたくなる。かっこよすぎる。
本格ミステリー感をこんなにも情緒豊かに表現するタイトルある??

内容的には女子高生達が過去の事件をほじくり返すうちに似たような事件が起こって
過去の事件の関係者とともに解き明かす的なありがちなやつ。

はっきり言ってトリックは派手じゃない、動機が濃いわけでもない。

が、タイトルからも分かるとおり雪の降る静謐で、鬱々とした雰囲気の中女子高生達の感情だったり
行動だったりがホント綺麗に描かれていてたまらなく良かった。

あとどうやら前日譚、後日譚があるらしいので、ぜひぜひ翻訳して欲しい。

そのためにもみんな買ってください。

ディオゲネス変奏曲|陳 浩基

中国作品が続きます。こちらはミステリーあり、SFありの何でも入った短編集です。

収録作は以下の17篇

  1. 藍を見つめる藍
  2. サンタクロース殺し
  3. 頭頂
  4. 時は金なり
  5. 習作. 1
  6. 作家デビュー殺人事件
  7. 沈黙は必要だ
  8. 今年の大晦日は、ひときわ寒かった
  9. カーラ星第九号事件
  10. いとしのエリー
  11. 習作. 2
  12. 珈琲と煙草
  13. 姉妹
  14. 悪魔団殺〈怪〉人事件
  15. 霊視
  16. 習作. 3
  17. 見えないX

読んだのが結構前なので、細かいことは忘れてたりするが、
全体的に色んなジャンルの粒選り作品がまとまっていて楽しい。

特に”藍を見つめる藍”、”時は金なり”が良かった記憶。
題材やネタは割りと特別目新しいとはではないが、
そのオチだったり、オチに至る過程、料理の仕方が捻られていて良き。

なお、早川ではないがミステリーの長編作品の”13・67”とか”世界を売った男”もおすすめ。

死亡通知書 暗黒者|周 浩暉

せっかくなので、もう一冊中国作品で。

こちらはミステリー。中国警察VS予告殺人鬼

いわゆる”刑事モノ”の王道、日本やアメリカの刑事ドラマだったりを嗜む人にはすっと入れる作品。
基本となる骨子は共通ですが、そこに中国の文化背景をちょい足し的な。

犯人もさることながら、刑事側にもくっそ個性的で、
裏のありそうなくせのあるメンツ揃いで飽きません。

名探偵コナンとか好きな人にもぜひ!

SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと|チャールズ・ユウ

訳:円城塔

タイムマシンの修理・サポートを仕事としている主人公が、タイムマシンから下りてきた自分を打ってしまって
パラドックスがががが…的なお話。

基本のストーリーも面白いし、いい作品なんだけど…円城塔です。完全に。

翻訳が円城塔なんですが、これは満場一致に近い自信がありますが、円城塔作品を読んだ上で
本書を読むと、えっ円城塔のオリジナルじゃないの?ってなります。

翻訳の訳文のせいってだけじゃなくて、世界観とかなんか雰囲気が似てます。

なので、円城塔が好きな人、円城塔の作品読み切って円城塔不足の人はぜひ

サザーン・リーチ|ジェフ・ヴァンダミア

ストルガツキーの”路傍のピクニック(ストーカー)”系の作品。精神的続編。

最近だと、宮澤伊織の”裏世界ピクニック”とか漫画化アニメ化もしているが、流行ってる?

突如出現した謎の領域”エリアX”。奇怪な生き物や不可思議な現象が起こるそのエリアに、
監視機構”サザーン・リーチ”から派遣された人々が調査を行う。

1巻では生物学者の主人公が調査をしており、主に主人公とその調査隊が遭遇する怪異が中心となる。

2巻では新たに着任した新局長を中心に監視機構、組織としての対応が描かれる。

3巻では1,2巻の登場キャラクターなど複数の視点で描かれる完結編。

ただし、すっきり終わるわけではない。まぁこのタイプの作品なので考察の余地を残すくらいがいいのかも?

ちなみに”アナイアレーション”というタイトルでナタリー・ポートマン主演で映画化もしています。
映画では1巻がベースの模様。少しグロいですが、視覚的に面白かったですので、
先に映画見てから読む方が世界観とかつかめていいかも。キャラクター像が固定されちゃうのが難点ですが。

part2はここまで!


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